丼トニック

二次創作同人誌のオタクが同人誌以外の話をします

二次創作同人誌のオタクが同人誌以外のオタクごとの話をする

分け入っても分け入ってもトラボルト

ランダムは悪い文化!!と叫ばれて久しい。
私も何度も痛い目を見てきた。
それでもモノの所有ではなくそれを手に入れるまでのワクワク感にお金を払っていると思えば、その痛みも多少和らぐのではないだろうか…

 

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今回は楽しいランダムグッズ「びっくら!?たまご」の話だ。

 

「びっくら!?たまご」はバンダイから発売されているおまけつき入浴剤。
湯船に入れると、卵型の入浴剤が溶けて中からミニフィギュアなどが出てくる。
スーパー戦隊のみならず様々なキャラクターで展開され、幅広い年齢層のハートをつかんで離さない。
ドンブラでは頭、両腕、腰が動くミニフィギュアが出てくるタイプのものが2種類発売された。

 

先ほどの6体のドントラボルトをご覧いただけばわかることと思うが、私はこれにドハマりした。


二頭身の親しみやすいフォルムと、ちょっとした場所に置いても幅をとらないサイズ感が私のコレクター魂を大いに刺激したのだ。
この手のランダムグッズは推しのだけあればいいと思っていた私だったが、これは全部並べたくなってしまった。


今までとは勝利条件が違う。
「推しが出たら勝ち」ではなく「全員揃ったら勝ち」。
つまり「推しが出たら勝ち」×6だ。

 

第一弾は意外とあっさり片付いてしまった。
ブラックゼンカイザーは出なかったが、ドンブラ初期メン5人が揃った満足度はかなりのものだった。
通勤路にあるショッピングモールのおもちゃ屋で4つほどまとめ買いした分が一切ダブらなかったのがよかった。

このまとめ買いで得た成功体験は、のちにまた生きてくることになる。

 

第二弾は、そもそも販売している店舗を見つけるのが大変だった。
第一弾をまとめ買いしたおもちゃ屋ではなぜか見つからず、転売のために買い占めている悪い奴がいるのかも…などと恨み節を炸裂させていた。
*1
秋も深まったころ上野のヤマシロヤでやっと見つけられた。喜び勇んで2つ買ったが、両方ともドントラボルトだった。

 

その後も今は亡き東京宝島で買ったり、たまたま見つけたトイザらスで買ったりしたのだが
とにかくシークレットのクリアなタロウかドントラボルトしか出なかった。


世の中のドントラボルトがすべて私の手元にあるんじゃないかとさえ思った。


自分とドントラボルトの縁が強すぎることに原因があるのでは…と思って友達に選んでもらったりもした。
これはふたつともシークレットのクリアなタロウだったから、多少は効果があったのかもしれない。
ダブるもどかしさもあったが、いっぽうでジロウへの愛着が少しずつ増していったことも否めない。
オタクはこういう時、勝手に運命を感じる生き物だからだ。

 

年の瀬も迫り、いよいよ量販店でドンブラ関連のおもちゃに値引きシールが貼られ始めたころ。
映画までの時間をつぶそうと新宿のこれまた今は亡きビックロをぶらぶらしていると、例によって値引きシールを貼られている第二弾を見つけた。
もう全部トラボルトでもいい。そう思って売り場に出ている分をすべて掴んで会計した。これが功を奏した。
ムラサメ、ソノイ、ドンドラゴクウ。初めて見る面子が出るわ出るわ。

もちろん中にはトラボルトもいた。

 

そんなこんなでほぼフルメンバーがあつまったミニフィギュア11体。
こうして見ると圧巻だ。

 

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かさばらないからまとめて何人も持ち運べるし、水にも強いのでおでかけのお供になかなか重宝する。

 

しかるべきケースにまとめて飾りたいと思っているのだが、置き場所とケースのサイズは検討中。


ここまでコレクションに熱を上げることはしばらくないだろうが、あのオレンジ色のお湯と粉ジュースみたいな香りのお湯が恋しくなった時にはまた新たな「びっくら!?たまご」に手を出してしまうかもしれない。

*1:その後すべてが終わった後に、同じモール内の別店舗に並んでいるのを見かけて愕然とした。単純に売り場が変わっただけだったようだ

スーパー戦隊レストラン〜おさるのメニューと飲み物の謎〜

さいころ、絵本に出てくる食べ物をなんとかして食べてみたいと思ったことはないだろうか。


自分のもっとも古い記憶は「ぐりとぐらのパンケーキ」だ。
フライパンから大きく盛り上がった黄色いかたまりは見ているだけで幸福な気分になる。

 

非日常への憧れや登場人物への共感といったスパイスによって、物語に登場する食べ物はひとかたらならぬ魅力を放つものだ。
そしてその魅力は、大人になった我々の心をも強くとらえて離さない。
そんなテンションぶち上がりのメニューが多数提供される夢の空間が、コラボカフェである。


限定グッズの物販戦争やランダムグッズの推しを求めてドリンク&フードファイトが繰り広げられる戦場としての側面も否めないが、今回はそのあたりへの言及は最低限にとどめてスーパー戦隊レストラン」の思い出をつづりたいりと思う。

 

スーパー戦隊レストランはカラオケチェーンであるパセラ池袋西口店の4階にある。

歴代スーパー戦隊にちなんだメニューを楽しめるセルフサービス型のレストランだ。
壁際のショーケースにはベルトや変身アイテム、フィギュアなどが所狭しと並べられ、ちょっとした博物館のような様相を呈している。
また同じフロアには歴代仮面ライダーにちなんだメニューを楽しめる仮面ライダーTHEダイナーもあるため、どちらかに入店すれば戦隊とライダーどちらのメニューも楽しむことができる。

 

ドンブラにハマるまでにも何度か足を運んだことがあったのだが、今回は本気度がちがう。


先週の記事に引き続き、とにかくドンブラに対して「何かしている」状態でいたかったのだ。


私は二次創作するオタクだが、ドンブラに対してはそういう方面での食指が動かなかったため、創作というアプローチができなかったことも焦燥に拍車をかけていたように思う。
毎週放送を見て、感想をツイートして、フォロワーと盛り上がっているだけでも十分だろうが、ドンブラにはそれだけで納得できない何かがあった。

人生をめちゃくちゃにされたかったのかもしれない。

 

人生をめちゃくちゃにされるチャンスは、2023年4月までに全部で4回あった。

 

  • おさらい その1(2022.6.7〜7/20)
  • 映画 新・初恋ヒーローメニュー登場(2022.7/22〜)
  • おさらい その2(2022.9.20〜10.23)
  • おさらい その3 FINAL(2023.2.26〜4.2)

 

他の予定で忙殺されていたおさらい第三弾以外は足を運ぶことができた。*1
根性でスケジュールをひねり出したときもあったし、たまたま平日に池袋方面に用事があったときもあった。
ストレスフルな予定のあとに、自分を元気づけるために行ったときもあった。
スーパー戦隊レストランがただそこにあるだけで、人生がちょっとだけドンブラに染まるのは嬉しかった。


一人で行くことが多かったが、どうしてもドリンク&フードファイトモードになってしまい、会計のときに己のさもしさを感じてしまう。
やっぱり、おさらいその1に友達と行った時が一番楽しかった。

原作のエッセンスがどのようにメニューに落とし込まれているかをあーでもないこーでもないと語り合う相手がいてくれるのはありがたいものだ。

 

印象深いメニューは数あるが、中でもサルブラザーこと猿原真一のメニューはシンプルながら静かに異彩を放っていた。


まず、おさらいその1「空想の酒」

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空想の酒というからにはアルコールではないことは想像にたやすい。
しかしこの升に注がれた液体が何なのか、メニューには一切書かれていないのだ。
そこも含めて「空想」しろ、ということなのかもしれない。

 

友達が頼んだメニューなので、私自身は口にしていないのだが彼女曰く
スポドリだった」

 

スポーツドリンクとおでん、部活帰りの高校生がコンビニで買い食いするラインナップ。


この頃はジロウとムラサメが登場したあたりで決闘にも至っていなかったので、おでんが作中屈指のキーアイテムになるとは思っていなかったが、その後のタロウ・ソノイ・猿原の関係性を考えるとなかなか示唆に富んでいる。

公式、そこまで織り込み済みだったのだろうか…

 

先述の通り行けなかったおさらいその2のサルブラザーのメニューは、空想のラーメンだったので謎の飲み物はついていないことを確認している。

 

様々な思い出を胸に万感の思いで迎えたおさらいその3FINALでも、やはり猿原のメニューに飲み物が添えられていた。
メニュー一覧には「もう春か」とある。

具体的な食べ物の名前さえなくなった上に、説明文に正体は書かれていない。


猿原最後の登場シーンで彼が放り投げたトレードマークの「ねじねじ(ストール)」に見立てたねじりドーナツと、湯飲み。
これはもう、絶対に湯飲みの中身を知りたい。

 

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メニューの写真ではわからなかったが、白濁している。*2しかもホットだ。


ドーナツに合う、ホットで白濁した飲み物って何?知らん……


甘酒にしてはサラサラしている気がするし、独特のにおいもない。

とりあえず覚悟を決めて飲んでみると、なんかホッとする味がする。甘い。


でもわからん。


今日は一人で来てるから、友達に助言を乞うこともできない。
いや、友達がいなければ店員さんに聞けばいいんじゃない?
店内もそんなに混んでいないタイミングだったので、食べ終わった獣人のしょうが焼き(これめちゃくちゃおいしかったです)の皿を下げに来てくれた店員さんに聞いてみた。

 

「ほうじ茶シロップとミルクです」

 

ほうじ茶シロップって初めて聞いた。ホッとする風味の正体はほうじ茶だったのだ。
シロップだからほうじ茶独特の茶色はないし、ミルクで割れば白濁してさらっとした飲み物になるのね、なるほどなるほど。

 

しかしそれを甘いドーナツに添える意味&猿原真一との関係性は……?

 

解決する疑問があった一方で別の謎が深まってしまったが、こういう宿題があるおかげで毎週の放送が終了してしまった今も私はまだドンブラのことを考え続けている。


きれいに解決してくれないおかげで、ドンブラに対して「何かしている」状態でいられるのはうれしい。
引き続き、私の人生をめちゃくちゃにしてほしいと願うばかりだ。

*1:欲を言えばクリスマス特別メニューも食べたかった。

*2:上の写真でもわからないアングルですみません

クレーンゲーム地獄変

突然だがクレーンゲームは得意だろうか。
私は恐ろしいくらいへたくそだ。
それでもオタクの物欲が一点を超えてしまったら、小銭を握りしめてゲームセンターに行かなくてはならない。
今回はドンブラザーズちびぐるみをお迎えしたときの思い出をつづっていきたい。

2022年5月、ドンブラにハマッた自覚こそあったもののまだGロッソも経験していなかった私は
とにかく何か行動したかった。
ミニプラのドンモモアルターを組んで春映画に連れて行ったりもしたが、なんかもっとこう
目新しいことをしたかったのだ。*1

そんな折、TLに流れてきたのがちびぐるみの宣伝ツイートである。
毎年スーパー戦隊のぬいぐるみが発売されていたのは知っていたが、プライズ景品があるのは知らなかった。

 

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ちびぐるみ|商品情報|バンプレストナビサイト (bsp-prize.jp)


発売日を確認すると、ちょうど映画を観に行く予定をいれていた日だった。
退勤してから映画が始まるまではちょっと時間があるから、すこしゲームセンターを覗いてみるか…

正直お金をかければ手に入る可能性はまああると思っていた。
以前どうしてもほしいプライズのぬいぐるみを手に入れるためにネット上で攻略法を読み漁った時期があったのだが
最終的に「店員さんにヘルプをお願いする」方法*2で入手したことがあったのだ。
今回も台の前で粘って、ヘルプをお願いすれば何とかなるだろう。

だがこの見立ては甘かった。

退勤後ゲームセンターに立ち寄ると、ドンブラのちびぐるみはもう2〜3種しか筐体に置かれていなかった。
しかも、前の人と店員さんの会話を聞く限りドンモモはもうこの店舗にはないらしい。

マジか………

2022年5月中旬、ちょうどドンブラの異様さが世間にも浸透し始めた時期だったので需要と供給が最も釣り合っていなかった時期でもあったのかもしれない。
検索したところ、ドンブラのちびぐるみがあるゲームセンターはこの近くにもう1店舗あるようだ。
速足でそちらに向かう。

もう1店舗の方は筐体の中のディスプレイを見る限り、まだ各種2体ずつくらいの在庫がありそうだ。
今プレイしている私の前の人が取りつくしてしまっても私の分はなんとかなりそう…と思っていたら、
ちょうど同じくらいのタイミングで私の後ろにもう一人やってきた。
後ろにいられるとどうしても気持ちが焦って集中できないかもしれない。そわそわしてきた。

「ここの駅の周りのゲーセン、もうここしか在庫ないみたいですねえ」

後ろに並んでいる人が声をかけてきた。気さくなタイプの人だ!
しかもオタク特有の押し付けがましさが微塵も感じられない。私ではこうはいかないだろう。
誼を通じておけば、もしかしたら私が時間をかけても多目に見てもらえるかもしれない。
そしてなにより、これも何かの縁。
いざおしゃべりしてみると、後ろの人はスーパー戦隊に詳しい猛者だった。ここのゲームセンターにもよく来るらしい。
なんかもう、この人にお財布預けるから私の代わりにプレイしてもらえないだろうか…
あつかましいかな…などと頭の片隅で逡巡している間に私の番が来た。

後ろの人は私を筐体の前に送り出しながら「私のことは気にせず、ゆっくりプレイしてくださいね」と言ってくれた。
気さくなうえに良い人だ。仕事もめちゃくちゃできるにちがいない。
「気にせずっていうか、むしろ見てて頂けたほうが心強いです!!」
緊張のあまりめちゃくちゃな返しをしつつ、小銭を投入する。
クレーンゲームの腕前は先述の通りであるため、ドンモモのちびぐるみはころりころりとクレーンの爪からこぼれおち私の小銭は無慈悲にも7枚…8枚…と筐体に吸い込まれていった。
そろそろ手持ちの小銭も底をつきそうだ。
両替をするついでに、一度順番を譲ろうかとも考え始めたときだ。

「この筐体のクレーンは××を×××すると×××になるんですよ」
後ろの人が世間話でもするように言った。
え?

神??

なんでそんなに重要なことをこの私に…!?

戸惑いながらも、教えてもらったコツを使って3回目でドンモモをお迎えすることができた。
私と同じくらい喜んでくれた後ろの人によくよく御礼を伝え、武運を祈り、私はゲームセンターを後にした。

いま振り返っても後ろの人の人徳にはおののくばかりである。
あれほどのコミュニケーション能力があればそう困ることもなさそうだが
今後の人生で何一つ困ることなく暮らして頂きたいものだ。
私もおののいてばかりでなく、後ろの人を見習って見ず知らずの人間にも親切にできる度胸を身に着けたい。

今後の抱負はともかく、後ろの人のおかげでドンモモと色んな場所へ行くことができた。
行く先々でドンモモを眺めるたびに思う。
これも何かの縁
後ろの人との縁がなければドンモモとこんなふうに出かけることはなかっただろう。

そういった意味でも、ドンモモのちびぐるみは思い出深い1体だ。

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これからも大切に連れ歩きたいと思う。

*1:ミニプラの話はまた別の記事で詳しく書く

*2:客がある程度お金をつぎ込んでいることが伝われば、店員さんによっては攻略法の相談に乗る形で景品を取りやすい位置に移動させてくれることがある

Gロッソに行ったこと④ペンライトは絶対買え編

目の前で繰り広げられる大迫力のアクションと本編から5ミリくらいズレた世界観のショー、生神輿、そして5歳児のハートをくすぐる数々のグッズ…
前回、前々回の記事で、シアターGロッソが私にとって夢のような場所だったことをお分かりいただけたことと思う。

しかしシアターGロッソの楽しさはこんなもんではない。
「あるもの」を購入することで100%楽しいヒーローショーが120%楽しくなってしまうのだ。
今日はその「あるもの」の話をする。

ペンライトを買え

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目の前でヒーローが戦っていたら、ましてやピンチに陥っていたら、誰でも
がんばれ〜!!」と叫ばずにはいられないだろう。

かつてヒーローショーの応援は主に声援と拍手だったが、この数年の特殊な状況下では
ヒーローたちに声援を送ることも難しくなってしまった。

そこで登場したのがシアターGロッソオリジナルペンライトだ。
Gロッソの公式Twitterをさかのぼった限りでは、キラメイジャーの第3弾でペンライト付きチケットが販売されたのが初の試みのようだ。

 

なんとなく長いものを持って応援できるだけで気分が上がるが、なんとこのペンライト
演出にあわせて自動制御で点灯点滅するし色も変わる。*1
もちろんクライマックスでは制御はなく、自分の好きな色を選んで点灯させて推しヒーローを応援できる。

ドンブラペンライトは1本1500円だった。
一般席が3000円という価格を考えるとやや割高な印象を受けたが、今年はすべての公演を各1回は絶対に観に行くという確信があったので、
シアター内に入る前に東京宝島で迷わず購入した。

ここで迷ったとしても、薄暗くなった会場内で楽しげにペンライトを振りながらスタッフさんが売りにきてくれるので誘惑に勝てず購入していたことだろう。

ペンライトを振ることで、大人も子どもと同じように応援できるのがうれしかった。
声援だとどうしても遠慮してしまう部分があり、こうはいかない。

それにペンライトを持っていると、舞台の上のヒーローたちとの一体感をより深く味わえるような気がする。
ピンチのときに自動制御で消灯すると不安になるし、ヒーローたちがピンチを乗り越えてペンライトに光が灯ったときには応援にもいっそう力が入るのだ。

この自動制御を思わぬ使い方で演出に利用されたのが「第3弾 キジのおんがえし、というおはなし」だ。

タロウからお供たちに出題されたクイズで良いところを見せられずキジブラザーが自信を喪失したところに敵が襲ってくる。
ドンブラザーズはペンライトで応援されながらそれぞれの特技を生かしてかっこよく撃退し、それを称える観客たち。

しかしなんとここで自動制御されたペンライトが赤、黄、青、紫、オレンジ…とキジブラザーを除くドンブラたちのカラーに点滅し始めるのだ。

「ピ、ピンク色のペンライトがひとつもない〜〜!!」

ショックを受けたキジブラザーは闇堕ちしてキジノ鬼になってしまう…というお話だ。

これには本当に驚かされた。
まさかドンブラショーを見に行って、キジブラザーの闇堕ちの一端を担うことになろうとは思わなかった。

手元で自分のペンライトの色を確認しようとして初めて自動制御されていることに気づいたわけだが
キジブラザー推しの人はもっと驚いたことだろう。
脚本を担当された雉野役の鈴木さんのセンスに痺れまくった公演でもある。

こんなイカした前例ができてしまったので、今後のシアターGロッソの演出でもペンライトが斜め上の使い方をされるかもしれない。
そういうわけで、シアターGロッソでヒーローショーを120%楽しみたいならペンライトの購入を強くおすすめする。

2023年3月現在、劇場内での発声は少しずつ規制が緩和されてきている。
今後はGロッソでもペンライト以外での応援ができるようになっていくかもしれないが、この制限下でペンライトによる応援が導入されたことで、私は大変楽しい思い出ができた。
ボディペインティングでかっこよくしてもらったペンライトは宝物だ。

シアターGロッソの話を4週にわたってお届けしている間に、Gロッソの演目が
ドンブラからキングオージャーに世代交代してしまった。
来週はクレーンゲームでちびぐるみをお迎えしたときの話をする。

*1:この機能があるため、これ以外の種類のペンライトは持ち込み禁止

Gロッソに行ったこと③わくわく物販編

シアターGロッソの正面扉から入って真っすぐ進むと劇場だが、右側進んだ先に広がる夢の世界をご存じだろうか。
私は2022年に初めて知った。

舞台が終わって多幸感でフワフワになったオタクは、財布の紐がゆるい。
なんなら積極的にお金を出そうとする。

こんなとき、2.5次元舞台なら物販のブースに並べばいいし宝塚なら劇場の近くに専門のショップがある。
そしてシアターGロッソには、劇場入口手前エリアと東京宝島がある(あった)。

東京宝島は1月末に惜しくも閉店してしまったが、アクスタやランダムグッズ、ぬいぐるみなど大人向けの商品から子ども向けのおもちゃ、アパレル、雑貨に至るまでスーパー戦隊関連のグッズを幅広く扱っていた。
こちらは大人でも比較的入りやすかったため、何度か買い物をしたことがあった。*1

一方の劇場入口手前エリアはどちらかというと小さい子どもさんとその親でにぎわっているため(もちろん大人もちらほらいたが)、キャスト目当てで来場している自分には縁のないエリアだという印象が強かった。
その日までは。

ブロマイドの自販機に並んでいると、劇場入口手前エリアをじっくり観察することになる。
(ブロマイドについては前回の記事を参照)
中でも興味を引かれたのが名前が入るキーホルダーだ。

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好きなヒーローの絵柄に自分の名前を入れてキーホルダーにしてくれるうえに、裏側には今日の日付が入る。
申し込み用紙に入れたい文字(名前でなくてもいい)を記入して係りの人に渡すと、10〜15分くらいで完成する。

元気いっぱい自分のペンネームを書いて、もちろんドンモモタロウで作った。

最初はメイン5人+集合絵柄の6種類だったが、次回以降の公演では追加戦士のジロウや脳人たちの絵柄も追加された。
何よりうれしかったのは、第4弾から脳人集合の絵柄が追加されたことだ。

敵役やあまり注目されないキャラを好きになったときにグッズ展開で寂しい思いをすることが何度となくあったため、ヒーローとしてくくれないキャラもグッズになっていてゴキゲンになってしまったのだ。
初めて知った日には購入を見送ったが、結局どうしてもほしくなって後日作りに行ってしまった。

このエリアで最も敷居が高いと感じたのはボディペ(ボディペインティング)だ。
顔や腕にヒーローの絵を描いてもらえるサービスだが、このあと街に繰り出す予定のある大人はにはちょっと手を出しづらい。

ところが、顔や腕以外へのペイントもOKなのだそうだ。知らなかった…
ペンライトや写真、グッズ、紙チケットなどでも良いらしい。これなら大人でも気軽に利用できる。

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店頭に大きく「大人もOK」と書かれているのがありがたいが、私は結局第4弾まで手が出ず、先述の脳人集合おなまえキーホルダーを作りに行ったときに初めてお願いすることにした。

正直、ペイントしてもらう間スタッフさんと一対一になるのはちょっと気恥ずかしいと思っていたが、
スタッフさんはかなり気さくで「キングオージャーもう見ましたか?」などとっつきやすい話題を振ってくださり、大変ありがたかった。その間も鮮やかな手つきでペイントを仕上げていく手並みはまさにプロの技だ。

ヒーローの描かれたシールの周りをデコってもらって、だいたい4〜5分くらいで完成。
塗料が乾くまで少し時間がかかるそうなので、特にペンライトに描いてもらう場合は観劇前がおすすめだ。
アクリル絵の具っぽい塗料に見えたが、あまり画材に詳しくないので違うかもしれない。
他にも、フードコーナーではランダムで缶バッジがもらえるコラボフードやドリンクが楽しめたり、ドンブラザーズの絵柄のポップコーンバケツを販売していた。

ポップコーンバケツは中身を食べ終わったあと、洗って乾かしてからグッズ入れとして活用している。
全面ラメ入りでかっこいいし、正面に描かれたガワのイラストののっぺりとした色使いも味わいがあっていい。
フードコーナーはついぞ利用するタイミングがないまま東京宝島と同時期に閉店してしまったのが心残りである。

これまで何度かGロッソに足を運んだことこそあったが、私はこの劇場入口手前エリアの楽しみ方を2022年に初めて知ったのであった。

次回はGロッソに通うなら絶対に入手したほうがいいペンライトの話をする。

*1:2023年3月の時点では店舗エリアの跡地は封鎖されており、Gロッソに入ってすぐの場所の小さいワゴンでグッズの販売を行っているようだ

Gロッソに行ったこと②ブロマイドを買う編

初めてシアターGロッソでドンブラショーを観た。

詳細は前回の記事参照⬇️

dontonic.hatenablog.com

かっこいいアクションと生神輿ですっかりハートが5歳児になってしまった私だが、観劇体験の8割を2.5次元舞台に置いているオタクの本能は健在だった。


神輿のブロマイドほしいな

物販らしきものは見たことがないが、劇場入口手前エリアを見回してみると…

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売っていた。なんと自販機タイプだ。
ブロマイドは物販で人間に番号を伝えて買うものという自分の固定観念が打ち砕かれた瞬間であった。

一人当たりの購入に時間はかかるが、ほしい絵柄だ品切れという状況がないシステムがありがたい。
サイズは2L*1のみで1枚400円。一度に10枚まで購入できる。

1公演あたりの絵柄は8種*2で、すべて劇中の舞台の上を撮影したいわゆるステージショットだ。
この日はハッピーになりすぎて、神輿の上のドンモモタロウのブロマイドを1枚だけ買った。

帰りにアクリルフォトスタンドも購入して入れてみたところ、めちゃくちゃ強そうなアクリルブロックになったので部屋の高いところに飾っている。
毎朝ラジオ体操をしながら見つめていると、代謝が少し上がる気がする。

来場を重ねるごとに、一度に買うブロマイドの枚数はどんどん増えた。
第2弾以降は前回の公演のブロマイドも購入できるようになったのだが、結局第1弾のうち何枚かは入手しそびれたのは少し心残りだ。

神輿は別格として、一番気に入っているのは第3弾で登場したオリジナルの敵キャラ・キジノ鬼のブロマイドだ。
他のメンバーに対するルサンチマンからキジブラザーが闇堕ちした姿という設定ゆえか、オニシスターの角やサルブラザーのマッシブな腕などがキメラのごとく組み合わさってシルエットの情報量が圧倒的に増えたことで、スラリとした普段の立ち姿とは異なる魅力が生まれている。
シアターで初めて見た瞬間にソフビがほしいと思ったほどだ。

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その後本編への登場もなく、キジノ鬼はまさにGロッソに咲いた仇花なのだが、ブロマイドという形で手元に残せるのはとてもうれしい。

先日第1〜4弾までのブロマイドを改めて眺めていたところ、ヒーロースーツの特に靴がにどんどんボロボロになっていっていることに気づいて、このブロマイドの新たな醍醐味を発見してしまった。

改めて、たくさん買っておいてよかったと思う次第である。

公演グッズとして馴染み深いこともあってか、ブロマイドへの思いが迸りすぎたようだ。
次回はブロマイド販売機の先に広がるさらに奥深い世界の話をする。

*1:ハガキより大きいサイズなので、バッグの中でほかの荷物と干渉して折れたり跡がついたりしやすい。
ブロマイドを買う意志があるオタクは折らずに持ち運べるケースを持っていくことをおすすめする。

*2:第4弾は10種あった

Gロッソに行ったこと①チケットと観劇編

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2022年6月26日
初夏の日差しを背に私は東京ドームシティの一角、シアターGロッソの前に立っていた。
「暴太郎戦隊ドンブラザーズショー第一弾 」を観るためである。

 

Gロッソには今までに何度か来たことがあったが、主に番組終盤にクランクアップしたキャストが"素顔の戦士"として出演する公演が目当てだった。
人生の一部になって久しい「ミュージカルテニスの王子様」シリーズを卒業したキャストが、たまにスーパー戦隊にキャスティングされることがあったためだ。*1

しかし今回は"素顔の戦士"の出演はない。ヒーロースーツのみのショーだ。しかも神輿が出るという。

 

この「生神輿」に私は大いに心を掴まれた。
昨年の主役の続投や初の男性ピンクなど初の試みづくしのドンブラだが、Gロッソでも例年にないことが始まっているらしい。
それに、地元の祭りで神輿が出ない状況がここ数年ずっと続いていたので生神輿ロスでもあった。
神社の境内に飾られている神輿も厳かでかっこいいが、やはり人に担がれてこそ神輿ではなかろうか。
久しぶりに生で神輿を観られるうえに、ヒーローショーまで観られるということで私の心は踊りに踊った。
番組では全身をCGで表現されているキジブラザーやイヌブラザーが舞台上でどのように演出されるかも気になるところだ。

 

さて、観劇するにはまずチケットを確保しなければならない。
プレイガイドを開いて、チケットのバリエーションに驚いた。
"素顔の戦士"のときはたいてい先行抽選でチケットを購入していたので自動的に一般席に割り当てられており気づかなかったのだ。
一般販売で購入する場合、座席の位置も細かく選べるのも新鮮だった。

  • 一般席

一番販売数が多い席。対象エリアが広いので同じ値段でも見え方はピンキリ。Gロッソは通路でもかっこいい演出が入ることが多いので、後方席でもヒーローが近くに来る可能性がある。特に中央の広めの通路はサブステージと言っても過言ではない。

  • プレミアム席

ほかの席と比べて高額だが、中央ブロックの1〜2列目かサイドブロックの最前列が確約される。ブロマイドやクリアファイルなどの特典グッズもつく大きなお友達向けの席。

 

ファミリー向けには、暗転する演出の時でも「真っ暗にならない席」や「親子セット券」、「親子セット券+戦隊ランド利用券」などがある。園内のアトラクションに1回乗れる「アトラクション1回チケット付き」は大人でも嬉しいかもしれない。

 

また、このほかに「撮影会参加券」「握手会参加券」というのもある。それぞれ各公演の後に撮影会と握手会に参加できるチケットだ。

これは素顔の戦士のときにはないイベントである。

私はドンモモタロウのガワが好きだったので、ドンモモタロウにふさわしい人間になった暁に必ず来ようと思っていたら時期を逃してしまった。これだけは本当に心残りである。

 

SNSでも生神輿が話題になっていたこともあり、私がチケットをとる頃にはもちろんプレミアム席は埋まっていた。
最後方付近の席ではあったが、ともあれ私は文字通りドンブラショーへのチケットを手に入れたのだった。

 

Gロッソはその名の通り、天井も床も柱も赤い。
入口の看板がいつもより高く見えるのは、心が5歳児に戻っているからだろうか。
「ボディペインティング」「ポップコーンバケツ」「おなまえキーホルダー」…
"素顔の戦士"を観劇したときは自分は対象年齢じゃないからと、あまりまじまじ観察しなかった場所のすべてが今日は自分に向けて開かれている気がする。
一人だったら本当に5歳児のふるまいをしたかもしれない。友達が一緒に来てくれてよかった。

 

今は亡きGロッソ横のキャラクターショップ・東京宝島でドンブラザーズのペンライトを購入し、席に着く。
*2
前説替わりの映像が流れ、ワイヤーや奈落を活かした縦横無尽のアクションが繰り広げられた。
テレビ版と比べて声が低くて威厳マシマシのドンモモタロウ、かたやオニシスターは口調がやわらかめで、どつかれたときの悲鳴は「キャー」だ。「グエー」ではない。サルブラザーは赤いお尻を活かしたヒップアタックが印象的。

さっそうと現れて合流するブラックではないゼンカイザーや、ワイヤーで宙を舞うちょっと等身低めのキジブラザー。テレビより口が悪いイヌブラザーは、二人のキャストが演じることで膝立ちアクションでありながら舞台を縦横無尽に逃げ回るかに見える。
思えばドンブラザーズの名乗りを初めて聞いたのもこの時だった。
ダイナミックなアクションと、テレビとはまた異なる独特の世界観が、そこにはあった。

ヒーローの吹き替えもテレビ版のキャストとはちがう方が担当しているし、脚本はテレビシリーズと並行して作る以上どうしてもキャラクターの描写や人間関係に追いつけずブレる部分もある。
そこがなんか…すごくよかった。
ちょっとシュールでもあり、更にそれを包み込むようないい意味でのゆるさがある。

何より、いつもテレビ画面越しに応援しているヒーロー達の生のアクションの迫力は筆舌に尽くしがたい。

 

ショーは30分弱。小さい子がおとなしく座っていられる時間に配慮されているのだろう。
大きなお友達である私も、池田秀一さんみたいなトーンでしゃべるソノイや生神輿とにこやかな表情の担ぎ手たちに思いを馳せながら大満足で席を立った。

絶対、またここに来たい…


ところがGロッソの楽しさは止まることを知らず、会場の外にも広がっているのだった。

 

次回はGロッソの物販について書きたい。
ハートは5歳児、財布は成人のオタクがウキウキ買ったものの話とかをする。

*1:最近だと、キラメイブルーの水石さんやツーカイザーの増子さんなど

*2:ペンライトをはじめとした物販のことは次以降の記事でくわしく書くつもりだ