丼トニック

二次創作同人誌のオタクが同人誌以外の話をします

二次創作同人誌のオタクが同人誌以外のオタクごとの話をする

クレーンゲーム地獄変

突然だがクレーンゲームは得意だろうか。
私は恐ろしいくらいへたくそだ。
それでもオタクの物欲が一点を超えてしまったら、小銭を握りしめてゲームセンターに行かなくてはならない。
今回はドンブラザーズちびぐるみをお迎えしたときの思い出をつづっていきたい。

2022年5月、ドンブラにハマッた自覚こそあったもののまだGロッソも経験していなかった私は
とにかく何か行動したかった。
ミニプラのドンモモアルターを組んで春映画に連れて行ったりもしたが、なんかもっとこう
目新しいことをしたかったのだ。*1

そんな折、TLに流れてきたのがちびぐるみの宣伝ツイートである。
毎年スーパー戦隊のぬいぐるみが発売されていたのは知っていたが、プライズ景品があるのは知らなかった。

 

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ちびぐるみ|商品情報|バンプレストナビサイト (bsp-prize.jp)


発売日を確認すると、ちょうど映画を観に行く予定をいれていた日だった。
退勤してから映画が始まるまではちょっと時間があるから、すこしゲームセンターを覗いてみるか…

正直お金をかければ手に入る可能性はまああると思っていた。
以前どうしてもほしいプライズのぬいぐるみを手に入れるためにネット上で攻略法を読み漁った時期があったのだが
最終的に「店員さんにヘルプをお願いする」方法*2で入手したことがあったのだ。
今回も台の前で粘って、ヘルプをお願いすれば何とかなるだろう。

だがこの見立ては甘かった。

退勤後ゲームセンターに立ち寄ると、ドンブラのちびぐるみはもう2〜3種しか筐体に置かれていなかった。
しかも、前の人と店員さんの会話を聞く限りドンモモはもうこの店舗にはないらしい。

マジか………

2022年5月中旬、ちょうどドンブラの異様さが世間にも浸透し始めた時期だったので需要と供給が最も釣り合っていなかった時期でもあったのかもしれない。
検索したところ、ドンブラのちびぐるみがあるゲームセンターはこの近くにもう1店舗あるようだ。
速足でそちらに向かう。

もう1店舗の方は筐体の中のディスプレイを見る限り、まだ各種2体ずつくらいの在庫がありそうだ。
今プレイしている私の前の人が取りつくしてしまっても私の分はなんとかなりそう…と思っていたら、
ちょうど同じくらいのタイミングで私の後ろにもう一人やってきた。
後ろにいられるとどうしても気持ちが焦って集中できないかもしれない。そわそわしてきた。

「ここの駅の周りのゲーセン、もうここしか在庫ないみたいですねえ」

後ろに並んでいる人が声をかけてきた。気さくなタイプの人だ!
しかもオタク特有の押し付けがましさが微塵も感じられない。私ではこうはいかないだろう。
誼を通じておけば、もしかしたら私が時間をかけても多目に見てもらえるかもしれない。
そしてなにより、これも何かの縁。
いざおしゃべりしてみると、後ろの人はスーパー戦隊に詳しい猛者だった。ここのゲームセンターにもよく来るらしい。
なんかもう、この人にお財布預けるから私の代わりにプレイしてもらえないだろうか…
あつかましいかな…などと頭の片隅で逡巡している間に私の番が来た。

後ろの人は私を筐体の前に送り出しながら「私のことは気にせず、ゆっくりプレイしてくださいね」と言ってくれた。
気さくなうえに良い人だ。仕事もめちゃくちゃできるにちがいない。
「気にせずっていうか、むしろ見てて頂けたほうが心強いです!!」
緊張のあまりめちゃくちゃな返しをしつつ、小銭を投入する。
クレーンゲームの腕前は先述の通りであるため、ドンモモのちびぐるみはころりころりとクレーンの爪からこぼれおち私の小銭は無慈悲にも7枚…8枚…と筐体に吸い込まれていった。
そろそろ手持ちの小銭も底をつきそうだ。
両替をするついでに、一度順番を譲ろうかとも考え始めたときだ。

「この筐体のクレーンは××を×××すると×××になるんですよ」
後ろの人が世間話でもするように言った。
え?

神??

なんでそんなに重要なことをこの私に…!?

戸惑いながらも、教えてもらったコツを使って3回目でドンモモをお迎えすることができた。
私と同じくらい喜んでくれた後ろの人によくよく御礼を伝え、武運を祈り、私はゲームセンターを後にした。

いま振り返っても後ろの人の人徳にはおののくばかりである。
あれほどのコミュニケーション能力があればそう困ることもなさそうだが
今後の人生で何一つ困ることなく暮らして頂きたいものだ。
私もおののいてばかりでなく、後ろの人を見習って見ず知らずの人間にも親切にできる度胸を身に着けたい。

今後の抱負はともかく、後ろの人のおかげでドンモモと色んな場所へ行くことができた。
行く先々でドンモモを眺めるたびに思う。
これも何かの縁
後ろの人との縁がなければドンモモとこんなふうに出かけることはなかっただろう。

そういった意味でも、ドンモモのちびぐるみは思い出深い1体だ。

f:id:sinko_ickw:20230409120815j:image
これからも大切に連れ歩きたいと思う。

*1:ミニプラの話はまた別の記事で詳しく書く

*2:客がある程度お金をつぎ込んでいることが伝われば、店員さんによっては攻略法の相談に乗る形で景品を取りやすい位置に移動させてくれることがある